手足のふるえでお困りの方へ
- コップやお茶碗を持つことができない
- 手が震えて読める字が書けない
- 牌を取りこぼしてしまうため麻雀ができない
そのような症状でお困りの方々のために
当院では科の垣根を越えてふるえに対するスペシャリストが集まり、専門的治療を行っております。
手のふるえに対する治療適応は、ご本人の「お困り度」で決まります。
どんなにふるえていてもご本人が何も気にされていなければ治療の必要はありませんし、逆に言われて気付く程度のふるえでも、ご本人が苦しんでいらっしゃれば介入いたします。

ふるえ治療センター チーム一丸で取り組んでいます。
ふるえ外来のご案内
受付 | 毎週金曜日午後 14:00から16:00 |
担当者 | 第2, 第4 担当 脳神経外科 東島威史 第1,第3,第5 担当 脳神経内科 田中健一、岩橋幸子 |
問い合わせ先
ふるえの原因疾患
手足の持続的なふるえを起こす病気はいくつか存在しますが、特に頻度が高いものが下の二つの疾患です。
ふるえ外来では、脳神経内科、脳神経外科が協力して診療を行い、しっかりと診断いたします。
本態性振戦
手足のふるえが主症状となる病気です。他の病気の初期症状であることもあります。
原因はわかっていません。
家族歴があると発症しやすいこともありますが、血縁内で自分だけ発症することもあります。
20歳前後と、60歳以上で多く、特に65歳以上では報告によっては人口の14%以上とも言われています。加齢に伴う生理現象として認識されていることも多く、老人性の振戦と呼ばれていることあります。しかし病気であることには違いなく、しっかりと治療すれば症状を軽減することが出来ます。
パーキンソン病
手足のふるえだけでなく、動きが固くなったり、バランスが悪くなったり、便秘や嗅覚症状なども現れる全身の病気です。
手足のふるえで気付くことが多いですが、症状は進行していくため、ふるえ以外にも全身の症状に対してしっかりと治療をしていくことが重要です。
様々な原因遺伝子も見つかっていますが、これも遺伝に関係なく発症することも多くあります。
65歳以上ではおおよそ1000人に2人程度ですが、本態性振戦と違い、若い人には極めて稀な病気です。
ふるえの治療
診断がついたら、それぞれの疾患に合わせて最適な薬物療法を開始します。
薬で効果がなかった場合や、薬の効果が不十分な場合は超音波による治療や、手術による治療を行います。
集束超音波療法 (FUS;Focused Ultrasound Surgery)
超音波を脳の一点に集中させて変性させる治療です。
特徴
- 切らない
- 被曝の心配がない
- 入院期間が短い (3から5日間)
- ご高齢でも対応可能
保険適応
以下の方が保険適応となります。
- 薬物療法で十分に効果が得られない本態性振戦及びパーキンソン病の方の、振戦症状の緩和を目的とする治療。
- 薬物療法で十分に効果が得られないパーキンソン病であって、脳深部刺激術が不適応の方で、運動症状の緩和を目的とする治療。
FUSの効果
INSIGHTEC社より動画提供
当院の設備
当院では
- 国内3機目となる次世代型の集束超音波治療
- 国内初となるSiemens3T MRIを用いた治療
という国内で唯一の設備で行います。
更なる治療詳細は下記サイトもご覧下さい。当院の治療センターも紹介頂いております。

Siemens3T MRI

シーメンスヘルスケア株式会社より画像提供
ワイドボア装置
70cmの広いトンネル部分が恐怖心を軽減します
3Tによる高速撮像+AIによる画像補正
鮮明な画像が脳の微細な構造まで可視化します
ふるえに対するその他の外科治療
ふるえ以外の症状が目立つパーキンソン病の方や、頭蓋骨の形状により超音波治療が難しい場合など、FUSよりも手術が適している場合があります。
手術には、脳に電極を埋め込んで電気刺激する「脳深部刺激療法」や、超音波ではなく、脳に直接凝固装置を刺して一部分を焼灼する「温熱凝固術」の二つがあります。
パーキンソン病の場合はこれに加えて、ポンプにより腸管に持続的に薬を流すLCIGという治療もあります。
当院では横浜市立大学附属市民総合医療センターと連携しており、同じチームで上記の治療全てを行うことが可能です。
FUSにこだわらず、最適な治療方法を検索いたします。
スタッフ紹介

センター長
横須賀市立総合医療センター 脳神経外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター脳神経外科 非常勤医師
東島 威史HIGASHIJIMA TAKEFUMI
専門分野、資格など
日本脳神経外科専門医・指導医、てんかん専門医、機能的定位脳手術技術認定医、スポーツドクター
経歴
2010年群馬大学医学部卒
2012年横浜市立大学脳神経外科学教室入局
2015年〜2019年 西新潟中央病院 国内留学
2019年〜2022年 横浜市立大学附属市民総合医療センター
2022年〜 横須賀市立うわまち病院脳神経外科
2024年〜 現職

副センター長
横須賀市立総合医療センター 脳神経内科
田中 健一TANAKA KENICHI
専門分野、資格など
日本神経学会神経内科専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医・
指導医、臨床研修指導医
経歴
2006年 横浜市立大学医学部卒
2008年 横浜市立大学神経内科学・脳卒中医学教室入局
2013~2018年、2020~2024年 横浜市立大学附属病院脳神経内科
2024年~ 横須賀市立うわまち病院脳神経内科、現職

非常勤医師(毎週木曜日勤務)
横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 講師
川崎 隆KAWASAKI TAKASHI
専門分野、資格など
医学博士、脳神経外科専門医・指導医、日本脊髄外科学会認定医
日本定位機能神経外科学会技術認定医、現在まで250件以上のDBS手術を施行
経歴
1989(H1)年 横浜市立大学医学部卒業、横浜市立大学脳神経外科入局
2002(H14)年 東京都立神経病院でパーキンソン病、本態性振戦などに対する脳深部刺激療法(DBS)を学ぶ
2009(H21)年 横浜市立大学附属市民総合医療センターでDBS手術を開始
2020(R2)年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 講師

非常勤医師(隔週木曜日勤務)
横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経内科 診療講師
木村 活生KIMURA KATSUO
専門分野、資格など
日本神経学会認定神経内科専門医・指導医、日本内科学会認定内科医
日本定位・機能外科学会認定機能的定位脳手術技術認定医
経歴
2003年 横浜市立大学 医学部 卒業
2008年 東京都立神経病院 脳神経内科
2009年 国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院 脳神経内科
2010年 東京都立神経病院 脳神経内科
2011年 京都大学霊長類研究所統合脳システム分野
2014年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経内科