初期臨床研修について
研修プログラムの目的と特徴
厚生労働省の新医師診療研修制度の研修理念に則り、総合的な診療能力を育成するプログラムです。
医師としての人格の涵養を主体とし、横須賀・三浦地区の基幹病院における豊富な症例による研修で、基本的な診療能力を身につける研修を行います。
また、地域医療振興協会(JADECOM)の運営する多彩な施設群を研修施設とし、へき地医療に対する理解を深めるため、3か月の「地域保健・医療」研修を行います。
当院は以下のような特徴があります。
- 救急車年間6,000台の豊富な救急症例数
- 365日24時間体制の充実した小児医療
- 病診連携が確立している中での地域との密接な関わり合い
- 米海軍病院との合同カンファレンスが毎月開催される
当院研修プログラムには以下のような特徴があります。
- 臨床研修センターを設置し、研修プログラムの調整や各診療科と研修医の連絡調整を行う
- 「地域保健・医療」研修を3か月確保し、当協会に属する多彩な病院・施設・診療所で、生きた地域医療の研修を行う
目標設定
このプログラムでは目標として2つのアウトカムを設定しています。
- 新医師臨床研修の到達目標(厚生労働省)
- 研修医の個別研修目標
初期臨床研修修了認定時には、これらのアウトカムが達成されていなければならないため、ローテート単位で研修終了時にこれらのアウトカムに到達しているか指導医および臨床研修センターが評価しています。
新医師臨床研修の到達目標(厚生労働省)
厚生労働省の新医師臨床研修制度の研修理念、到達目標の達成を目標とする。
ローテート研修目標(learning contract)
各ローテート開始時に個別に研修医がローテート研修目標を設定する。
- 自身が目標とする将来像
- 研修期間に取り組みたいこと(目標・方略)
- 研修期間に受けたい評価(フィードバック)
- 研修期間中に予定している活動、特別な要望など
各診療科研修プログラム(必修科)
教育に関する行事
オリエンテーション | 4月上旬に実施。 |
研修医のための講習会 | 研修医のための各科専門医による講習会を毎週開催する。 また、臨床研究を行うための講演会も開催する。 |
CPC | 月1回開催。 |
症例検討会 | 救急部や外来などで経験した症例について検討を行い、診断プロセスやプレゼンテーションについて学ぶ。週1回開催。 |
地域保健・医療研修報告会 | 地域保健・医療研修終了後に研修報告会を行い、地域医療についての情報共有とグループ討論を行う。随時開催。 |
BLS、ACLS、PTLS | 年数回の研修会を行う。 |
研修医主催の勉強会 | 研修医が自主的にテーマを選択して勉強会を行う。 |
研修を支援する体制
研修管理委員会
定期的に研修管理委員会を開催し、臨床研修が円滑に行われるよう研修実施上の問題点について論議します。また、前年度及びその年度の研修の評価を行い、それに基づいてその年度の研修プログラムを協議・計画し、必要に応じて修正を行います。
さらに、研修医のオリエンテーション・配置・評価・修了認定など臨床研修に関する事項を協議し決定します。
評価
終了認定
厚生労働省の修了基準に従い、以下の項目について評価を行う。
研修実施期間 | 研修実施期間が規定の期間を満たしていることを研修センタースタッフが文書で報告し、評価委員会が評価を行います。 |
臨床研修の到達目標の達成度 | ログブックやこれまでの研修評価履歴、自己評価などの資料を参考に、総合的に評価します。 |
臨床医としての適性 | これまでの研修評価履歴、研修センタースタッフの意見などの資料を参考に、評価委員会が総合的に評価します。 また、各項目の修了基準を満たしていることを研修管理委員会が確認し、修了認定の可否について判定を行います。修了認定後、管理型病院管理者が臨床研修修了証を交付いたします。 |
修了後の進路
公益社団法人 地域医療振興協会 シニア・プログラム「地域医療のススメ」
地域医療を専門とする医師は、公益社団法人 地域医療振興協会シニアプログラム(3年間)に進むことができます。地域ニーズに応え、地域住民に信頼される保健・医療・福祉サービスを提供するために、求められる役割に応じて協調、変容でき、あらゆる問題に対応できる能力を楽しく身に付けることを目標とするプログラムです。
地域医療研修センターが研修のサポートを行いながら、全国の多彩な協会内施設を利用して、地域医療を専門とする医師の養成を行っています。日本家庭医療学会仮認定プログラムであり、日本プライマリ・ケア学会認定医、日本内科学会認定医が取得可能です。
また、将来的には当院に常勤医として勤務することも可能です。